インプラント


入れ歯に代わる治療法として「インプラント治療」を聞いたことがある方は多いかと思います。

すでに歯を失いはじめてしまっている方には、インプラント治療という選択肢があります。

インプラント治療をすると、周りの歯に負担をかけることがありませんし、咬む力も顎の骨にしっかりと伝わり、歯を支える骨がやせていくのを防げる可能性が高くなります。

インプラントには様々な種類・方法がありますが、当院では「HAインプラント法」「大口式インプラント方式」「抜歯即時埋入方式」を組み合わせて採用しています。

1)HAインプラント


HAインプラントは、チタンの表面に使われている材料がハイドロキシアパタイトと呼ばれ、顎の中で積極的に骨と結合しようとする生体活性材料です。

HAインプラント

※HAインプラントの臨床はすでに15年を経過しています。
HAインプラントと骨との結合はチタンの「オッセオインテグレーション」とは異なります。

チタンのオッセオインテグレーションとは、実際には骨とインプラント体の結合がなく、すき間が少しあきます。
それに対し、HAインプラントは「バイオインテグレーション」といい、周囲骨との間にはカルシウムが沈着し、顕微鏡で見るレベルでも、骨と生化学的に結合します。

HAコーティングインプラントが素材として優れている理由にはまさにこのバイオインテグレーションによるものです。

2)大口式インプラント方式

大口式インプラント方式は、歯科医師の大口弘先生が30年ほど前から考案・開発を重ね、最小限の侵襲でインプラントを埋入する方法です。

最小限の侵襲

大口式インプラントでは、ほとんどドリルを使わず、鍼灸に使うような細い針で、骨の表面に僅かな穴を空けて、その穴を少しずつ広げながら、人工歯根を入れていくため、骨を削りません。

そのため痛みもなく、傷もごくわずかで済むため、大きな出血もありません。

また、通常骨は縮もうとするため、大口式インプラント法で広げると、もともと小さな穴から広げているので、少し縮まり、余分なスペースをつくらないし、すき間もつくらない。むしろ、インプラントを締め付けてくれます。

事故も防げ、修正もできます。一発勝負ではなくて、万が一の時にやり直しができることは安全面ではとても重要です。

大口式インプラント方式の特徴

  • ドリルをほとんど使わないので、ドリルの不快な音や振動がない。
  • 骨を削らず、穴を開け圧迫していくため出血もほとんどない。
  • 骨移植が必要と言われた方でも、骨移植手術せずインプラントができる場合がある。
  • 手術回数がほぼ1回で済む。
    ※通常のドリル式のインプラントなら3~4回になることがあります。
  • インプラントの長期保障が可能。
    ※条件次第では、15年~20年になることもあります。
  • 鍼灸のような細い針で行うため、患者様の身体及び精神的な負担が少ない。
    ※大がかりな手術は必要ありません。
  • 副作用がほとんどないため、術後は数回の消毒のみで済みます。

3)抜歯即時埋入方式

抜歯即時埋入法は、抜歯と同時にインプラントの埋入を行い、手術の回数を減らし、患者様の負担を軽減することを目的とした方法です。

従来、虫歯や歯周病で抜歯が必要と判断されてインプラント治療を行う場合には、抜歯後の炎症が治まるまで期間をおいてからインプラントを埋入するのが一般的でした。

その場合、2回の手術を行わなければならず治療も長期間に及ぶため、患者様に大きな負担がかかっていました。
このような負担を軽減するために考案されたのが「抜歯即時埋入インプラント方式」です。

抜歯即時埋入インプラント方式とは、抜歯をしたその日にインプラントを埋入する治療方法です。

抜歯即時埋入法の特徴

  • 顎の骨を削る量や時間が少ないので、痛みや腫れることが少ない。
  • 抜歯とインプラント埋入の2回の手術が1回で済むので、身体的にも精神的にも負担が少ない。
  • 抜歯と同時にインプラントを埋入するので、通常の半分の治療期間で済む。
  • 傷口の回復が早い。
  • 侵襲が少ないので、インプラント埋入部周囲の組織に影響を与えにくい。

抜歯即時埋入法の適用条件

抜歯即時埋入インプラントは、通常のインプラント手術と比べて非常に繊細で高度な技術を要します。インプラントの種類の選択、手術器具・消毒薬の選択、埋入方向・深度、感染防止を考えた縫合法など、一つひとつの手技に正確な判断と、的確に手術を施行する高度な技術が求められます。

抜歯即時埋入インプラントは、すべての患者様に対応できるわけではなく、一定の条件を満たす場合にのみ適用できます。

  • 十分な骨の高さや厚みがある。
  • 周囲の歯が重度の歯周病に冒されていない。
  • 咬み合わせが整っている。
  • 傷口の回復が早い。
  • 歯ぎしり・食いしばりのクセがない。

健康を守るためのインプラント治療

インプラントというと、様々なメディアの報道で怖いとお思いの方がいらっしゃるかもしれません。

インプラントの副作用・リスクには以下のようなものがあります。

・インプラント体の脱落(過大な咬合力、手術の失敗、メンテナンス不良によるもの)
・インプラント歯周炎(プラークコントロール不良によるもの)
・手術時の血管・神経の損傷(手術の失敗、CTを使わなかったことによるもの)

しかし、本来のインプラント治療は、健康を守るためにあるのです。

全身の健康と歯は密接な関係にあります。

  • しっかりと噛めなければ、適切な栄養摂取ができない。
  • 正しく噛めなければ、身体のバランスに狂いが生じる。
  • 健康的に噛めなければ、認知症のリスクが上がる。
  • 歯周病があれば、糖尿病など様々な全身疾患に関係してくる。
  • 口の中が不潔だと、悪い細菌を誤嚥して肺炎になる可能性も。
  • 咬み合わせの平衡感覚保持が悪いと、転倒の可能性も。

など、しっかりと噛めるということは、健康の維持に非常に重要な関わりを持っていると言えます。

歯を失ってしまった時にはインプラントによる治療をすることで、噛み合わせが復活し、健康を守ることに結びついてきます。

歯を失ったことによる「欠損ドミノ」に陥らないために


歯を失うことで、「欠損ドミノ」と呼ばれるスパイラルに陥る場合があるという考えがあります。

・第一段階

第一段階は、虫歯や歯周病によって、奥歯を失うことが多いようです。奥歯を失うと、義歯、ブリッジ、インプラントという選択肢しかありません。
ブリッジを選択した場合、隣の歯を削る必要がありますし、義歯やブリッジの場合、鉤歯や支台歯(義歯やブリッジの力を支える歯)に過度な負担がかかってきます。

・第二段階

第二段階として、義歯やブリッジにより、鉤歯や支台歯へ過度の負担がかかったり、元々の歯周病などが悪化し、さらに歯を失ってしまい、歯の欠損が拡大してしまう場合もあります。

・第三段階

第三段階としては、さらに前歯を失い、多数歯の欠損によって、「すれちがい咬合」「コンビネーションシンドローム」「無歯顎」などの状態へと進みます。
すれ違い咬合とは、上顎、下顎ともに、歯は何本か残っているにも関わらず、自分の歯でかむところがなくなってしまった状態です。 例えば上顎は右側の歯、下顎は左側の歯のみ存在していれば咬むところが無い、そういう状態です。
コンビネーションシンドロームとは、上顎無歯顎)において、上顎骨前歯部の骨吸収が起きてしまうなどの症状です。
無歯顎とは文字通り、歯が一本もない顎のことです。

このような状態にまで進んでしまうと、「咀嚼機能低下」となり、総入れ歯などにしても、柔らかいものしか食べられなくなり、結果として、肥満や認知症などに向かい、さらにはそれが元で糖尿病や高血圧と進み、その状態が続くことで、脂肪肝や動脈硬化、肝硬変、腎臓病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、その後は肝不全、腎不全、心不全、呼吸不全と進んでしまうことも考えられます。

これらの流れについて「欠損ドミノ」と呼ばれています。欠損ドミノを防ぐ選択肢として「インプラント治療」があげられます。
いかに早い段階で、欠損ドミノへの移行を食い止めるかも歯科医師の仕事であると考えます。

※欠損ドミノとは、林揚春先生と武田孝之先生らのグループが提唱されている考え方です。

欠損ドミノを防ぐための選択肢「インプラント治療」

欠損ドミノを避けるために大切なことは、言うまでもなく、定期的に歯科医院に通い、予防し、「歯を失わないこと」ですが、すでに歯を失いはじめてしまっている方には、インプラント治療という選択肢があります。

義歯やブリッジにすると、鉤歯や支台歯に負担がかかってしまいます。
しっかりと咬む力が顎の骨に伝わらないでいると、歯を支える骨が痩せて行ってしまったりもします。

インプラント治療をすると、周りの歯に負担をかけることがありませんし、咬む力も顎の骨にしっかりと伝わり、歯を支える骨がやせていくのを防げる可能性が高くなります。

フラン歯科クリニックのインプラント治療


このように、フラン歯科クリニックで、インプラント治療を選択肢としておすすめしている理由としては、「欠損ドミノをできるだけ避けられる治療法の選択」という明確な理由があり、埋入するインプラント自体も骨と生化学的に結合する、しっかりとしたものを使用しています。

また、ドリルをほとんど使用しない、インプラントの治療方法を採用し、リスクを極小化できるよう尽くし、条件さえ適合すれば、患者様の負担の少ない、抜歯即時埋入法も可能です。

インプラントという選択は、単に入れ歯にならないということではなく、「噛む力」を取り戻し、健康を失わないための選択肢なのです。

費用:インプラント1本 ¥330,000(税別)自費診療