歯並びの良し悪しってどこで見る? その1

このブログで歯の事を書くのは今回が初めてです。当院に通われている患者さんは噛み合わせの事を何度も聞いたことがあると思います。

噛み合わせと歯並び、どちらも良いに越したことはありませんが、人間も生き物。完全な左右対称というわけではないので、どこかしらに無理の掛かっているところがあります。

そういった部分に歯並びの乱れといった現象が起こるようになります。

日本人に限らず先進国において、歯並びの問題は必ずあって、食べるものが昔に比べると柔らかくなってきていることが原因の一つと言われています。

人間の体を作っている骨は力をかける刺激を与えると成長します。顎の骨も例外ではなくて、乳歯の時期からしっかり噛む食事を続けていると、あごの骨が正しく成長し、生え変わりの時も永久歯が正しい位置に生えてきます。

この時歯が並んでいく位置は、舌と唇、頬の押す力がちょうど釣り合う所になります。歯の高さも噛む力と根の先が成長するスピードが釣り合った位置に揃って来るのです。

この要件の他にもいくつかあるのですが、このバランスが崩れた状態の続いた結果が歯並びの乱れとなって表れてくるのです。

例えばよく見られるのが、下の前歯が重なっていたり、角度がまちまちな状態。

乳歯と永久歯が混ざって生えている段階ではあまり気にしなくてよいのですが、

永久歯がすべて生え揃った後、中学校に入学する時期にこの状態であれば要注意です。この後、大人になるにつれ親知らずが生えて来る頃には、更に押されて並びの乱れが強くなるからです。

中学から高校に進学する時期には一度親知らずの有無や歯並びの状態をチェックしておくとよいでしょう。

以前このお話を患者さんにしていた時に質問されたのが、舌と唇、頬の押す力が釣り合うところに歯が並ぶのなら、歯が重なったりしないはずというものでした。

これにも理由があって、顎の骨が成長する事で歯が並ぶスペースが出来ますが、顎の骨の成長量が少ないと、生えてくる歯の並ぶスペースが足りなくなって歯並びの乱れになっていくのです。

公園のベンチを想像してもらうと分かりやすいかな?4人掛けなのに6人が無理やり座るとしたらってイメージですね。

大人になって、親知らずが横向きに生えたのを抜いて大変な思いをされた方もいらっしゃる事でしょう。この横向きに生えてしまうということも、顎の骨のスペース不足が原因の一つです。

最初にも書きましたが、人間も生き物です。道具を使うようになって文明が発達して、食べ物も加工された物が食生活の大部分を占めるようになったのは、ここ数十年の事です。

それまで硬いというか歯ごたえのあるもの、そして砂粒なんかも混じっていたこともあったでしょう。昔の食生活の再現ということで、縄文から弥生時代の食事を見てみましたが、これならバッチリ顎の骨も成長するだろうし、親知らずもきれいにまっすぐ生えるだろうなあという感想を持ちました。

さっきの砂粒も大切な要素なんですよ^^

この続きはまた次回!